私たちが普段、口にしている食塩は、ミネラルである「ナトリウム」と塩素によって、できています。
ナトリウムのはたらき
体内の水分調整、血圧や体液(pH)の維持、そのほかにも神経や筋肉を正常に動かすための重要なはたらきをしています。
スポーツなどをして大量の汗をかいたり、おう吐や下痢をしている場合には、たくさんのナトリウムが失われてしまうため、適切に補給することが必要になります。
塩分の摂り過ぎが懸念されていますが、生命の維持に欠かせない存在です。
塩分摂取の目安量
食塩相当量とは、次の計算式で食品に含まれているナトリウム量を食塩の量に換算した値です。
ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)
1日の塩分の摂取量は、5gです。
ちなみに、厚生労働省では男性8g未満、女性7g未満、日本高血圧学会では6g未満を推奨していますが、世界基準であるWHOでは、5g以下と発表しています。
ナトリウムを多く含む食材
塩、しょうゆ、味噌などの塩辛い調味料 、漬け物、佃煮、干物、塩蔵品(たらこ、塩ざけ、塩辛など)、練り製品(かまぼこ、さつま揚げなど)、加工肉(ハム、ベーコン、ソーセージなど)などに多く含まれています。
加工食品などが普及した昨今、どうしても塩分過多になってしまう傾向にあるため、「塩分控えめ」を心掛けることがベターです。
代表的な例を挙げると、カップラーメンの成分表示を見ると、塩分だけでも1日の摂取基準をオーバー、もしくはそれに近い数値であることが分かります。
塩分の摂り過ぎは、高血圧や脳卒中などの病気になる恐れがあります。
ラーメンを食べる際は、スープを残すなどの工夫が必要になってきます。
また、細胞外にはナトリウム、 細胞内にはカリウムが多く存在しています。
ナトリウムを摂取する際は、カリウムとのバランスが重要です。
自炊をする時の工夫
調理する際に、すべて同じ味付けにしてしまうと、偏った塩分を摂取してしまうことになります。
例えば、レモン、ゆず、梅干、酢などの酸味や、コショウ、カレー粉、七味唐辛子などの香味や、だし、オイスターソースなどのうま味や、植物油、バターなどのコクなど、様々な調味料を塩と組み合わせて利用することによって、塩分の摂り過ぎも防げます。
メニューを考える際は、味を変えて調理することも大切です。
また、食物繊維もカリウムと同様に、余分なナトリウムの排泄を促すはたらきがあります。